狼の遠吠えは仲間同士の通信手段で、なわばりの宣言や呼びあうときに行う。犬の遠吠えも、古い時代の習性の名残と考えられている。犬は飼われるようになって、人間の家がなわばりになったので、なわばりを侵されることが少なくなったり、遠くの仲間に伝える必要がなくなったりした。それが遠吠えをしなくなった原因と考えられている。また、なわばりに侵入する者があっても、その侵入者との距離が近いため、遠吠えより警戒度の高い吠える行動になるのだ。
救急車や消防車がサイレンを鳴らして走っていると、ついつられて遠吠えをする犬がいる。しかし、この行動自体、最近では少なくなり、飼い犬がなわばりにうるさくなくなった証拠だと思われる。