ときどき見られる犬の想像妊娠は、ホルモン分泌のちょっとした違いによって引き起こされる。卵胞ホルモン(エストロジェン)が分泌され、大きくなり、はじけると、黄体ホルモン(プロジェステロン)になる。正常なら、その後、黄体ホルモンは消失するのだが、そのまま残って、機能黄体に変化してしまうと、それが妊娠のサインとなる。すると、交尾をしていないのに、乳首が張ったり、食欲が旺盛になったりして、想像妊娠になる。
想像妊娠のときも、本来の妊娠のときでもホルモン分泌のしかたは、同じである。もし想像妊娠しても、機能黄体が沈静化すれば、妊娠症状は収まる。