日本の絶滅危惧種
つい先日、某社の絶滅動物に関する書籍の仕事が終わりました。
そんな折りも折り、本日のニュースで、絶滅に関する興味深いものがありましたので、
今日のネタにしようと思います。
環境省が、日本国内において絶滅のおそれのある野生生物の種のリストとして作成している
レッドリストの見直しが行われ、ニホンカワウソが絶滅種に指定されました。
また、九州に分布していたニホンツキノワグマの個体群も絶滅種になってしまいました。
絶滅種に指定される条件は、過去50年間にわたって、その姿や生存の確かな証拠となるものが
確認・発見されなかった場合で、かつては東京都の川にも生息していたニホンカワウソや
九州地方のツキノワグマは日本からその存在が消えてしまったことになります。
ニホンカワウソは、本州の個体群と北海道の個体群の両方が絶滅種に指定されました。
これまでにも、日本の絶滅した生物で、哺乳類では北海道に分布していたエゾオオカミ、
本州、四国、九州に分布したニホンオオカミ、小笠原諸島に分布したオガサワラアブラコウモリ、
沖縄に分布していたオキナワオオコウモリの4種。
鳥類では、今回、沖縄県の南・北大東島に分布したダイトウノスリが新たに絶滅種に指定され、
合計で14種となりました。
ほかにも両生類や爬虫類、魚類、昆虫、貝、無脊椎動物、植物などのリストも見直され、
絶滅種は合計で44種になりました。
そもそも、環境省のレッドリストとは、それぞれの生物の絶滅の危険度を、専門家によって検討会が開かれ、
その中で、危険度に合わせた8つの段階に振り分けたリストのことです。
8つの段階とは、以下のものがあります。
・絶滅(Ex)=我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
・野生絶滅(EW)=飼育・栽培下でのみ存続している種→トキは、この状況から野生復帰しました。
・絶滅危惧ⅠA類(CR)=ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
・絶滅危惧ⅠB類(EN)=IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
・絶滅危惧II類(VU)=絶滅の危険が増大している種
・準絶滅危惧(NT)=現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
・情報不足(DD)=評価するだけの情報が不足している種
・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)=地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの
となります。特にCR、EN、VUの3つの段階をまとめて、「絶滅危惧種」と呼んでいます。
絶滅のおもな原因は、狩猟や間違った知識による駆除、開発などです。
日本の発展には仕方がなかったとはいえ、正直、今に生きる私は、これらの動物を
目にすることができなかったのは、先人たちの過ちだと思っています。
このことから、現代においては、この過ちを繰り返さないことが大切です。
子どもたちに、ついつい言ってしまいます。勉強やスポーツにおいて
「同じ失敗をするな」と。自然や生物たちにも同じように接するために、
今の大人も気をつけなければいけませんね。