逆外来種(クズ編)
先日、外来種について書いたので、
今回は、逆外来種、いわゆる日本から国外に持ち出され、
その国で外来種となってしまったものから、季節的によく見かける
植物の「クズ」について、少し調べてみました。
クズは、マメ科のツル植物で、多年草です。秋の七草のひとつにもなっています。
ちょうど今の時期、葉のかげで、エキゾチックなきれいな花を咲かせています。
分布は北海道から九州にかけてで、夏には空き地や休耕田などさまざまな場所で繁茂します。
日本以外では中国、フィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布しています。
大変成長が早く、一夏で、樹木を覆ってしまうほど伸びます。
この特徴を生かし、かつてアメリカでは園芸用や緑化のために輸入されましたが、
予想以上に適応してしまい、現在では外来種として駆除されていますが、
日本で見るのと同じに、完全な駆除は不可能のようです。
秋の七草にもなっているように、食用としての価値があり、
根には大量のデンプンが含まれ、根を乾燥させたものは、風邪薬の葛根に用いられ、
クズの根のデンプンからは、くずきりやくず餅が作られます。
また、マメ科植物のため、ウマ、ウシ、ヤギ、ウサギなどの飼料にもなります。
一見、夏に生い茂り、名前のイメージからもやっかいな植物で、知人の住宅の隣の空き地に
多い茂って、さまざまな虫の住み家になって困っていました。
確かに、クズの葉は暑い日差しをさえぎり、葉の下はさぞ涼しく、昆虫たちには快適な場所といえます。
その昆虫を狙って、捕食動物も集まってきます。
我が家の近所にあった空き地に生えたクズの下は、アオダイショウの巣になっていました。
あちこちでやっかいもののクズですが、生態系にとっては重要な植物のひとつなんですね。