昔はアクアリウムにおける水草は、魚の添え物のような存在でした。それは、水草に適した飼育用品がほとんどなく、一部の丈夫な種類を除いて、長期育成が難しかったためです。しかし、最近では、CO2や照明器具の発達で、多くの水草の栽培が容易になり、美しい水槽を維持できるようになりました。
水にたゆたう、グリーンを眺めることは、癒し効果もあって、魚が水草の脇役となった、水草水槽を楽しむ人も増えています。水草は、種類によって植え方がちがいます。
- 有茎型
1本の茎から葉がでるので根をカットして1本ずつ植ていく。
- ロゼット型
葉が放射状に出るので1株ずつ植えていく。水中葉と水上葉があるので確認すること。水上葉を水槽に入れると、一度枯れても新しい葉がでます。
水槽に水草があると、魚が落ち着きます。魚は水中の酸素を吸って炭酸ガスをだします。水中には魚のフンやエサからアンモニアが発生します。そのアンモニアがバクテリアによって分解されてできる硝酸塩などが水草の成長の養分となります。水草にコケがつくと取れないので、コケ対策として、エビを入れおくとよいでしょう。コケが発生したら水換えしてみましょう。蛍光灯は1日5〜6時間ぐらいにします。
CO2
水草は二酸化炭素(CO2)と水を原料に、光のエネルギーで、栄養になる糖分を作り出します。そのため水草のエサは、光、そして二酸化炭素ということになります。
魚を飼育している水槽では、魚や水草、あるいはバクテリアが、呼吸で排出した二酸化炭素が溶け込んでいます。そのため、丈夫な水草は、普通に魚を飼育しているだけの水槽でも育ちます。
しかし、水槽内の水草の量が増えると、二酸化炭素が不足しますから、これを補ってやることで、多くの植物を育成できるようになるのです。
照明用品
照明装置も水草には欠かせないものです。一昔前の蛍光灯が一本しか付いていないシングルタイプの蛍光灯では、水草の育成はなかなか難しいので、最低でも、ダブルライトを用意します。もちろん、本格的にはじめるのならば、トリプルライトやメタルハライドなどのより明るい照明が必要です。
ただ、光が強すぎても、アオミドロのような緑色系のコケが発生しやすくなりますから、二酸化炭素の量など、全体のバランスが大切です。
また、照明時間も、長いほうが光合成には有利でしょうが、魚だけでなく植物にも、休憩は必要でしょう。長くても毎日7〜8時間程度、ライトを点灯させるのが良いと思います。
肥料
肥料は、効き目の早いリキッドタイプと、ゆっくり効く緩行性の固形肥料に大別されますが、初心者の場合は、扱いやすい固形肥料のほうが適しているでしょう。