黒 野生ネコの縞にも見られるように、黒いカラーの遺伝子は多くのネコが持っていたのでしょう。野生種でも全身真っ黒なクロヒョウが有名ですが、他の野生ネコでも、時折、全身真っ黒い突然変異個体が生まれることが知られています。ネコの品種第一号は、真っ黒いネコだった可能性が高いでしょう。
他のカラー 黒、白、茶の三色の濃淡を基本にして、ネコの毛色の多くのバリエーションを生み出しているのは、ダイリュートと呼ばれる毛の色を薄くする突然変異遺伝子と、一本の毛の色が途中で違っている色合いです。 |
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白 野生ネコには白いカラーを持つネコはいません。白いカラーや模様があると、自然の中では目立ってしまい、生存に不利なためでしょう。しかし、夜間の薄暗い状況で、家畜と襲ってきた野生動物とを区別するため、人間にとっては白い模様のネコの方が都合良く、好まれました。また、ネコの白いカラーは優性遺伝で、他の毛色を抑えて発現することが多いため、白猫はよく見かけられるのです。 |
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茶 ネコの毛の色は、人間の髪の色と同じメラニン色素で決定されます。メラニン色素は日焼けのときの黒い色だと思われがちですが、人間の髪の色と同じく、同じメラニン色素の中にも赤い色に発現するものがあって、その黒と赤の発現の仕方や微妙な混じり具合で、毛色の見え方が決まります。ネコの場合は、濃い焦げ茶から、レッドとも呼ばれる鮮やかなオレンジ、シナモンなど、濃度の違いによって多くの毛色の元になっています。 |