日本では長い間、ネコは人間の御飯にかつお節をのせたネコマンマのような餌しか与えられていませんでした。しかし、人間の与える餌に慣れて雑食性になったイヌと違って、ネコはもともとネズミなどの小動物を食べる完全な肉食動物です。
　長い間、日本ネコは残飯のおこぼれや、家のまわりの小動物を補食することで空腹をおぎなってきましたが、最近になって、栄養価の優れたキャットフードが普及したために食事の自給自足を考える必要は、かなり減ってきました。
　粗食に耐える日本ネコの丈夫さは美徳の一つですが、本来、ネコは保守的な面があるので、食べ慣れないものは食べません。そのくせ、毎日同じものばかり食べていると、飽きるという気難しい面も持っています。そのため、好物のおやつばかり食べて餌を食べなくなったり、昨日まで食べていた餌に見向きもしなくなることもあって、ネコは、イヌに比べてグルメだといわれています。

　野生のネコは、狩りに一度成功すると、一気に食べつくすのではなく、何度か休みながらゆっくり食べることの方が多い動物です。ネコも同様に「ネコ食い」という言葉があるように、少しずつ食べる習性があります。そのため、一度にたくさん出すよりは、少しずつ何回にも分けて食事させる方が、理にかなっています。また、縄張り意識があるので、同じ場所、同じ食器で与えたほうが、落ち着いて食ベます。
　もし餌の量が足りなくても、馴れたネコは飼い主にすり寄ってきて、ニャオーンと鳴き、ちゃんと飼い主に餌を催促するようになります。
　ネコは濃いオシッコをするため、尿路結石になりやすい性質があります。その予防として、水は常に新鮮なものが自由に飲めるように、用意しておいてください。