ネコは生後半年で最初の繁殖期を迎えますが、そのころにはまだ体が成長しきっていないため、妊娠・出産で体力を消耗すると、成長が止まってしまったり、お産がうまくいかなくなってしまいます。繁殖は生後一年以上経ってからにします。
一頭しか飼っていないなら、同じ品種の飼い主同士やブリーダーさんにお願いしてお見合いさせます。ペットショップで紹介してくれる場合もあります。
「繁殖したいけれども今は増やしたくない」という人は、動物病院で発情を抑えるホルモン剤を埋め込んでもらいましょう。
妊娠したネコは胎児に栄養をとられて栄養不足になるため、栄養価が高く、カルシウムの豊富なキャットミルクなどを与えるといいでしょう。
出産は他のネコや人に邪魔されないよう、薄暗く静かな場所で行われます。そういう出産用の場所を用意しないと、勝手に押し入れや床下などに潜り込んで出産しますから、段ボール箱や衣装ケースなど、ネコがゆったり寝られるぐらいの大きさの箱にバスタオルなどを敷いた物を用意します。
出産が近付くと、雌は不安と痛みで鳴いて、飼い主に訴えます。出産床にネコを寝かせ、そっと撫でて安心させてあげましょう。飼い主を信頼しているネコは、出産後に、わざわざ子猫を飼い主のところに運んで見せに来る子もいます。
普通、ネコは深夜から明け方にかけて、休みながら数頭の個体を出産しますが、長い時間、子猫が出てこないで、苦しんでいる場合は、動物病院に連絡しましょう。
出産後は雌が自分で後産の処理をし、子猫を舐めて乾かします。バスタオルなどを交換するのは、落ち着いてからにします。
もし子猫の世話をしないときや、他の子猫に負けてミルクが飲めない個体がいるとき、あるいは子猫を拾った場合には、人間がキャットミルクで育てます。親ネコのいちばん最初に出る初乳というミルクには大切な親の免疫が含まれているので、親ネコを押さえてでも子猫に初乳だけは飲ませた方が、後の生存率がよくなります。
ネコミルクはペットショップで市販されているものを必ず使います。牛乳はネコのミルクと成分が違うため、子猫は下痢をしてしまい、うまく育ちません。ミルクを飲ませた後は、湿らせたティッシュで肛門のあたりを刺激してやると、排泄するので必ず、そこまでしてください。 |