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ネコの病気と感染症予防


子猫は要注意
 ネコの病気を大別すると、ウイルスや細菌によって他のネコから移る伝染性疾患と、餌や飼育環境の不備が原因で起こる生活習慣病、そして、ガンや腫瘍、遺伝病、アレルギーなど突発的な病気があります。
 この中で、伝染性疾患はワクチンを接種し、他のネコと接触させない室内飼育で簡単に防ぐことができます。
 ところが、子猫のときは飼い主の手に渡るまでの過程で他のネコと接触する機会が多いうえ、移動のストレスで免疫力が低下することもあり、生後半年ぐらいまでは最も危険な時期です。ちょっとした子猫の体調の変化も見逃さないようにしましょう。見逃してはいけない初期症状は、セキ、クシャミ、下痢、発熱、嘔吐、涙、目に力がない、鼻水、呼吸が苦しそう、かゆがる、抜け毛、ハゲ、歩き方等動きの異常、お腹を伸ばしたがらない、お腹に力が入っている、元気がない、などがあります。
 これらの徴候が一過性のもの、例えば嘔吐しても食欲があったり、単発のクシャミやセキだったりするものなら、いいのですが、一日以上、咳が続いたり、立て続けに下痢や嘔吐をしたりした場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。
伝染性疾患
 一般的に症状が重く、伝染性が強い恐ろしい伝染性疾患は下記のものです。
ワクチンがあるもの
ネコ汎白血球減少症
ネコ伝染性鼻気管炎 (FVR)
ネコ白血病ウイルス感染症 (FELV)
ネコカリシウイルス
ワクチンのないもの
ネコ伝染性腹膜炎 (FIP)
ネコ免疫不全ウイルス感染症 (FIV)

年に一度は健康診断を
 ネコに多い生活習慣病は、尿路結石などの泌尿器に関わる疾患や肥満、糖尿病、アレルギー性疾患などが知られています。
 尿路結石やアレルギーを防ぐ成分を原材料に用いたキャットフードがありますし、様々な病気の原因になりやすい肥満もフードで防ぐことができます。また、発情や生殖器官に関する病気は避妊で予防できます。
 こうした生活習慣病は伝染性疾患やケガと違い、ある程度の時間をかけてネコの体を蝕むため、定期的に健康診断を受けて早期発見するのがいちばんです。早く見つかれば、治療も早くできるのです。また、獣医師から、体質や年齢、体調に合わせた飼育方法の指導を受けることもできます。そんな個体ごとに違う微妙な管理が病気の予防には役立つはずです。
 ネコに限らず動物は体調に違和感を覚えても、人間のように言葉で訴えることができません。痛みや苦しみに対して限界まで我慢しようとして、症状を悪化させてしまいがちです。

ズーノーシス・ 人畜共通感染症
 人畜共通感染症は、ネコと人間がともに感染する病気です。人間からネコに移る病気は少ないため、主にネコから人に移る病気が問題となっています。
 その多くは、消化器や皮膚に寄生する寄生虫やダニによって起こる病気です。排泄物に触れたら手を洗う、食べ物の口移しやキスはしないなど、一般的な衛生管理をしていれば防ぐことのできるものですから、発生件数は少なく、それほど恐れる必要はありません。  
ネコ引っ掻き症
 
 ネコに引っ掻かれた傷から病原菌に感染する症状で、ネコに噛み付かれたり、引っ掻かれたりした2〜3日後にリンパ腺が腫れ、高熱が出ます。
 
トキソプラズマ
 
 寄生虫のコクシジウムの一種に感染することで発病します。排泄物に触れた手から口に入ることで感染します。一般的にすぐに抗体ができて、感染にも気がつかないものです。
  ところが、抗体のない妊婦が感染すると、胎児が感染し、流産することもあるため、妊婦にとっては恐ろしい病気です。妊娠中、あるいは妊娠する予定のある人は、病院でトキソプラズマの抗体検査を受け、抗体があれば心配ありませんし、抗体がなければ妊娠中だけ猫を避ければ、安心です。
 
ノミ
 
 それほど重い症状にはなりませんが、ノミは家の中でも繁殖するため、根絶するのはなかなか大変で厄介な寄生虫です。最近は都市部でも増えています。
  ノミ予防薬やノミ取り首輪で、防ぎましょう。
 
パスツレラ症
 
 ネコの口や爪に菌がいるので、かみ傷や引っかき傷で起こります。はれて痛むが、腫れが傷口の周囲に広がることは稀。
 
サルモネラ症
 
 サルモネラ菌の経口感染によるが、人は発熱、下痢、おう吐などの急性胃腸炎を起こします。菌は健康人の便から検出されることもあります。
 
ネコ回虫症
 
 ネコ回虫による寄生虫病です。多数寄生すると、おう吐や下痢を起こすこともありますが、軽微です。
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