金魚の代表的存在であり、上見の代表でもあるランチュウ
蝶のような尾が特徴的な、パンダ蝶尾
水中で揺らぐ尾が美しい、更紗リュウキン |
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金魚をいろいろな角度で見ることで、その金魚の良さが、グンとアップします。ちがう角度というのは、金魚を上から見る「上見」です。
中国発祥の金魚は、本来上から見て楽しむものでした。金魚が誕生した当時は、当然ガラス水槽はなく、日本でも一般的な水槽で飼育することはなく、鉢で飼育されていました。
そのため、ランチュウやデメキン、チョウテンガンなどの上見の金魚が多く作出されました。中国では現在も上見が基本になっています。
ガラス水槽の発達とともに、日本では横から見る「横見」が一般的になりました。日本の金魚にも、土佐金のように上見を楽しむ金魚もいます。しかし、あくまでも専門家や金魚飼育の上級者のような一部の方だけで、ふつうは金魚の美しさを鑑賞するために、横から見て美しいものが好まれるようになりました。
上見での良さを探すためのポイントは、例えば錦鯉のように、上見の色や模様、形、チャームポイントなどを見つけることで、気に入らなかったものが、まったく別のものに見えてくるはずです。横見ではまったくふつうに思われた金魚も、上見からの模様が面白い形をしていることもあります。どのように金魚を楽しむかということが大切で、飼い主が個人的に飼育するのですから、飼い主だけの楽しみを見つければいいのです。
このように、金魚の良さを見出す眼力を養うことも必要です。また、こまめにショップへかようフットワークの良さも、気に入った金魚を見つけるための重要なポイントになります。そんな努力の中で、20円の餌用金魚であっても、模様や形によっては飼い主にとって何千円もの価値になるかもしれません。
また、ショップでの行動にも注意しましょう。毎日のようにそのショップに通っていても、マナーが悪ければ、ショップの人からいい情報を聞き出すことはできません。最低限のマナーを守ることも、お気に入りの金魚を見つけだすために必要なことです。
最低限のマナーとは、通常、餌用金魚を選ぶことはできません。しかし、20〜30円のものを100円で購入させてほしいと交渉したり、選びながら、長時間1か所にかたまっていないようにすること。1匹を選ぶのに、いろいろな金魚をすくったり戻したりしないこと。魚は、一度でも網ですくうと、それだけで体にスレができてボロボロになってしまいます。自分が楽しむためには、ショップの人のことや、金魚のこともよく考えて行動するようにしましょう。
上見を楽しみながら飼育するには、鉢が雰囲気も出ていいのですが、ほかにもランチュウ用の高さの低い水槽を利用してもいいでしょう。このような水槽では上見、横見の両方を楽しむことができます。また、水槽であれば、フィルターなどの設備も用意しやすいでしょう。
上見を楽しむ飼育方法にすることで、今までの金魚探しの楽しみが、120%以上に増すことは間違いありません。自分だけのお気に入りの金魚を探してみましょう。 |