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金魚の病気と治療

病気の治療と対処法
 金魚の病気の大きな原因は、水質の悪化です。水質の悪化により細菌が発生したり、寄生虫が発生します。金魚が元気な状態であれば、抵抗力がありますが、汚れた水の中では、金魚も弱ってしまい、いろいろな病気に感染してしまいます。

初期の軽い症状であれば、薬浴や塩水浴でも治ります。しかし、病気にならないよう、水槽内の汚れなどをこまめにチェックをするのが一番大事なことです。


薬を使用するときは必ず説明書を読んで、その指示に従いましょう。また、子供には触れさせないようにしましょう。病気の金魚をすくったアミは煮沸消毒しましょう。
白点病、尾腐れ病など。 抗生物質が主成分。尾腐れ病、穴あき病、細菌感染症など。 サルファ剤と抗菌剤が主成分。細菌性皮フ炎、細菌性尾腐れ病など。


色素剤です。白点病、尾腐れ病、水カビ病など。 塩を入れるのは、体液に近い塩分濃度によって、体力の消耗をおさえることができるからです。 ウオジラミ、イカリムシの駆除及び外傷の治療。


尾腐れ病にかかった金魚のひれ
尾腐れ病
原因と症状
 文字通り尾びれがボロボロに溶けていく病気です。尾びれのほか、尻びれや背びれなどにも発症します。初期症状ではひれに白い斑点が現れ、症状が進行するとひれがやぶれたように溶け始め、からだに近くなると出血する場合もあります。原因は細菌感染によるものです。
治療方法
 初期症状の場合は、水槽のままグリーンF(抗菌剤)やグリーンFゴールド(抗菌剤)による薬浴で比較的簡単に治療できます。やや症状が進んでいる場合は、隔離して塩水浴を行い、適量のグリーンFで薬浴させます。症状がかなり深刻な場合は、治療中に死亡してしまう場合が多いようです。治療がうまくいけば、溶けた尾は元に戻りますが、骨まで達している場合、完全に再生されることはありません。


 
えら腐れ病
原因と症状
 水温が高いときによく見られ、えらにコンドロコッカスやカナムナスなどの外部寄生細菌が感染することで発症します。初期症状では、えらやその周辺が白く変色し、症状が進行するとえらの動きが鈍くなり、閉じたままや開いたままになります。
 えら自体は健康なものでは鮮やかな赤ですが、感染するとくすんだ赤になり、重傷の場合にはえらぶたが溶けてしまいます。
治療方法
 初期症状であれば、抗生物質のパラザンD(オキソリン酸)の薬浴によって、改善されますが、多くは発見が遅れて、発見したときには手遅れになる場合がほとんどです。この病気は予防することが大切で、水温のチェックや水質の悪化、水の汚れが早い過多飼育などはさけるようにしましょう。


体表や各ひれに小さく白い点が見られる白点病
白点病
原因と症状
 体表や各ひれに、イクチオフチリウスという繊毛虫が寄生し、小さな白い点が現れることから白点病と呼ばれます。
 初期症状では、魚が体をかゆがるため、流木や石、底材などに体をこすりつける行動が見られます。症状が進むと体表やひれに肉眼で白い点が確認できます。重傷になると、体全体に寄生が進み、金魚自体も元気がなくなり、あまり動かなくなります。
治療方法
 体をかゆがる初期症状や、白点が少ない場合は、水温を25度以上にし、塩水浴またはグリーンF(抗菌剤)で薬浴させることで改善されます。金魚の体から白点が消えても、水槽内にはまだ繊毛虫が潜んでいる可能性があるので、しばらくは塩水浴や薬浴を続けましょう。


鱗がめくれるように立ち、まつかさのように見えます
マツカサ病
原因と症状
 マツカサ病の原因はわかっていませんが、エロモナス・ハイドロフィラという細菌の感染という説が有力です。感染すると、鱗の根元に腹水が溜まり、松かさのように逆立ちます。症状によっては目が突出する場合もあります。このように鱗が逆立つのは、細菌感染のほかに、肝機能障害や水質の悪化による浸透圧調節の不全などがあります。この症状がみられたら、あらゆる原因を考えましょう。
治療方法
 抗生物質のパラザンD(オキソリン酸)を添加した餌を与え、塩水浴をさせるのが効果的です。水温を25度以上にし、抗菌剤のパラザンDによる薬浴もいいでしょう。また、飼育環境の清掃を行うことが一番でしょう。とにかく、金魚が元気で健康であれば、感染することは少ないので、予防を含めて飼育環境の見直しが必要です。完治するには、少々時間がかかるため、気長に治療にあたりましょう。


 
水カビ病
原因と症状
 魚の体やひれなどに肉眼でもはっきりわかる白い水カビが発生するものです。感染部には菌糸状のものが見られます。その患部は炎症も起こし、出血がある場合もあります。初期症状では、わずかな部分に見られますが、症状が進むにつれて、徐々に患部が広がっていきます。
治療方法
 初期症状の場合では、メチレンブルーやグリーンF(抗菌剤)などで薬浴すれば、比較的簡単に治療することができます。グリーンF(抗菌剤)のほか、塩水浴も効果があります。


ひれに寄生したウオジラミ
ウオジラミ
原因と症状
 直径数ミリのウオジラミの寄生によるものです。金魚の体に張り付いて、口部分の針を刺し、体液を吸います。ほかの水槽から持ち込まれた魚や水草からの侵入によるものがほとんどです。
治療方法
 治療はイカリムシの場合とほぼ同じですが、イカリムシよりも短期間の薬浴で駆除することができます。予防にはほかの水槽から魚や水草を入れるときに、十分注意することで、新規に持ち込む金魚や水草を迎える場合には1週間程度、別の容器で薬浴してトリートメントするようにしましょう。


 
穴あき病
原因と症状
 水の汚れによって、エロモナスやサルモニシダという病原菌の感染によって発病します。初期症状は体表面に、小さな赤い点(充血部)が見られます。また、症状が進行すると、赤い点が大きくなり、最終的には鱗がはがれ、穴が開き身まで達します。
治療方法
 穴あき病に対して効果的な治療方法はありません。抗生物質のパラザンD(オキソリン酸)を経口投与することくらいです。穴あき病という病気を知っておき、感染しないように環境を整える必要があります。3分の1から半分の定期的な水換えや、底材やろ過材の汚れがひどい場合の交換、えさのやり過ぎなどに注意し、ときどき、水に塩を入れて塩水浴をさせるようにして、いつも元気のある金魚にしてあげることです。


鼻部に寄生したイカリムシ。がっちりとくい込んでいます
イカリムシは金魚の体液を吸ってしまいます
毛抜きなどで、イカリムシが切れないように、ゆっくりと抜き取ります。成功するには、かなり高等な技術が必要です
イカリムシの頭まで取れれば駆除成功です
イカリムシ
原因と症状
 イカリムシという長さ1ミリ〜1センチほどの寄生虫が体液を吸うために金魚の体に寄生することから引き起こされます。金魚がかゆがり、底材や石、流木などに体をこすりつけます。このようなときは、金魚の体をじっくり観察しましょう。症状が進むと、金魚の体液を吸い尽くし、金魚が死に至る場合もあります。
治療方法
 イカリムシを発見したら、毛抜きやピンセットなどで切れてしまわないように取り除きます。金魚の傷口には抗生物質のパラザンD(オキソリン酸)で消毒します。しかし、雌雄同体のイカリムシは、水温16〜30度では繁殖力旺盛で、1匹発見したとなれば、相当数が生息していると考えられます。徹底的な駆除を行うために、トリクロルホンを含む薬剤で薬浴するか、飼育環境を新規につくりなおすしかありません。
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