ブラッシングは、犬の抜け毛、死に毛を取り除いてすっきりさせるだけではありません。皮ふの血行をよくし、夏は皮ふと毛の間に空気を通し、犬の体温を下げる役目もします。冬には毛と毛の間に空気を含ませ、保温効果を上げます。
いちばん使用するのは、毛の長さや量に限らず、コームという、いわゆるクシです。目の粗いものと細かいものを一つに組み合わせたタイプのものは、必需品です。
次にラバーブラシ。これは毛の先が球状になっていて、皮ふへのあたりが軽いブラシです。下に綿毛を持つ犬の換毛期には、スリッカーブラシが便利です。シャンプーのときには、錆びないプラスチックや塩ビ系のブラシも使いやすいです。そして獣毛ブラシ。静電気をほとんど起こさないので、手入れの仕上げに使うことが多いです。
静電気が起きやすい毛質、季節には、ブラッシングスプレーもあると便利です。
被毛は、毎日抜けます。そのため、ブラッシングは基本的に1日に1回は行ないたいものです。外で遊んで草切れなどがついたときには、放っておくとそこから毛がダマになるので、手早くブラッシングします。
自然に手に力が入り、犬の地肌を真っ赤にしたり、傷つけたりすることがあります。地肌に毎回ブラシの先を当てず、毛の根元近くにコームを入れ、親指で毛を押さえながらとくと、たくさんの死に毛を取り除けます。
毛の多い犬、長い犬は、最初は一部分ずつ手にとってとき、最終的に全体をブラッシングします。コームは目の粗いもので丹念に毛をとき、その後、目の細かいものに替えて、とくと、きれいな毛並みにできます。 |