心臓弁膜症、心臓肥大、心筋こうそく、僧帽弁閉鎖不全症といった病気はすべて、心臓病です。
心臓病は、犬の年齢が高くなるとよく発症する病気です。若いうちに出てくる心臓病のほとんどは、遺伝性です。フィラリア症などの感染症が引き金となり、発症する場合もあります。
心臓病の特徴的な症状は、咳、体を動かしたがらない、失神する、などです。食欲がなくなる、歯ぐきの色が白っぽくなる、呼吸が荒くなる、腹部が膨張するなどの症状も見られます。
- 咳
- のどの奥から何かを吐き出すような様子と音が、心臓病の咳の特徴です。
- 運動を嫌がる
- 動くとすぐに疲れたり、散歩の途中で座り込んだりしてしまう場合は、心臓病の可能性があります。
- 失神
- 心臓から脳に送られる血液量が減り、脳が酸欠状態になって失神します。犬が突然倒れるので、てんかんと似ていますが、心臓病の失神では1〜2分で回復します。てんかんは1〜2時間、回復にかかります。
加齢による心臓病も遺伝性心臓病も予防は困難です。
しかし、最近、心臓病の治療薬は画期的によくなり、余命1年と言われた犬が5〜6年も延命する例が増えています。加えて早期発見ができれば、薬を飲むことで、ほぼ普通の状態の生活ができるようになっています。心臓疾患が出やすいといわれる犬種や高齢犬は、飼い主が聴診器で普段から心音を聞くようにすると、いつもとちがう雑音やリズムの崩れを発見できます。
心臓病と診断されたら安静が基本です。過激な運動や大きなストレス、やかましく騒がしい環境は、よくありません。 |